
先日、私の愛用している万双の双鞣和地二つ折り財布(小銭入れ付)について紹介させて頂いた(詳細はこちら)。しかし、ダンディズムを極めるために大切なのは購入してからどう使うかである。
「手の脂があるから財布のお手入れは不要である」などという人もあるが、例え油を補充する必要がなかったとしても埃を落とすことができる訳はあるまい。結局、良質な革製品にはデイリーケアが必要だと言うことである。
私が使っているのは、Collonilの1909ファインポリシングブラシである。1909ファインポリシングブラシは最も柔らかい山羊毛を用いて作られているから、繊細な革製品を傷つけることなく手入れすることができ、また細かい部分にまで届く。
ブラシの種類
一般的にブラッシングに使われる天然の毛は豚毛、馬毛、山羊毛の順で柔らかくなっていく。また、化学繊維で作られたブラシもあり、仕上げのしやすさから侮れない存在になっている。
レビューを見ると抜け毛を多く感じている方が少なからずいる様であるが、私は現在のところは気になったことがない。とは言え、全く抜けないわけではない。もう少し高いものを購入すれば良いのかもしれないが人それぞれと言ったところだろう。
革財布の手入れには様々な流儀があるだろうが、できれば使うごとにその日のホコリを落とすことが望ましい。つまり毎日である。「そんなことは面倒である」と読者諸賢はお怒りであろうが、「ダンディズムとはやせ我慢である」(ドラマ『俺のダンディズム』テレビ東京)。
毎日の手入れを怠らずに最高のエイジングを完成させて初めてダンディなのであって、高い財布を手に入れて満足しているような男は、「底抜けの阿呆」(森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』角川文庫)である。
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