マクロを操る失恋男は百貨店で靴を買う

憧れの先輩との最後の時間を過ごしてから一ヶ月、相変わらず先輩のことを忘れることができない私だが、一方で人生を楽しんでいる。小さな企業に入ったおかげで(それでも純利益は数十億円あるのだが)発言機会が多く、一番力を入れて取り組んでいるベンチャー事業では、CAOのようなポジションを任せてもらっている(事実、私の目標は、このベンチャー事業の成功に貢献し、私が20代のうちに会社を上場させCAOとして取締役になることである)。このほかにも最近、新しい楽しみを見つけた。

エクセルマクロで世界が変わる

入社直後に地方支社に飛ばされた私は、ベンチャー事業以外に日々、現場の業務に追われている。全社を挙げてDXに取り組んではいるものの、全くデジタル化が進まない遅れた現場で、エクセルに詳しい人も勿論いない。そんな中で入社以来、コツコツとエクセルの勉強と経験を積んできた私は、以前、ふとしたきっかけでエクセルマクロを使って感動を覚えたことがあった。そして昨日、とうとう初めて自分でプログラムを書いた。たった10行のシンプルなコードだが、前任者が月によっては半日近くかけて行なっていた業務が5秒で出来るようになった。

新社会人に貯金など不可能である

私はここ二週間ほど、散財が止まらない。クールビズが終わり、ネクタイを着用する季節になったので、ラルフローレン ラグビー、ポールスミス、ジョン コンフォート、そしてドレイクスとメルカリでネクタイを買い漁っている。大学院生の時にポールスミスのアウトレットで買ったものを含め、すでに8本のブランドネクタイを使い分けている。最近ではユーチューブのファッションチャンネルにハマり勉強中である。

首周りに注意が行きがちな私だが、実は以前より、気に入って履いていたブラウンの革靴の色抜けが気になっていた。コンシーラーを塗っても消えないので諦めていたのだが、ネクタイを見るときに下を向くとどうも気になる。そこで今日、エクセルマクロの参考書を天神に見に行くついでに、革靴を見ることにした。

まず、お気に入りの洋服の青山に行き(馬鹿にするなかれ、かなりいい靴があるシーズンがある)、ついで天神地下街のリーガルにも行ったのだが無く、当てが外れて途方に暮れた私は、購入するつもりはなかったが岩田屋 本店に足を踏み入れた。そして、そこで見つけた限定品のリーガル、30,800円を即決で買った。百貨店で買い物をしたのは人生で初めてである。家賃を払っていないこともあるが、百貨店で靴を買えるようになった。

人事を尽くして天命を待つ

最近の私の原動力はやはり先輩の思い出だ。以前書いた通り先輩は私の目標なのである。心の中にある憧れの先輩の背中を追いかけ続ける私を、「街に出ろ」と平凡な奴らは馬鹿にするに違いない。しかし私は次、憧れの先輩のような人に出会ったときに振られないために、着実に準備をしているのだ。ダンディズムに磨きをかけ、仕事をできるようになることが私の戦略である。20代でアズーロ・エ・マローネを使いこなし、上場企業の取締役になった暁には、先輩のような女性が振り向くこと請け合いである。