東京が舞台の青春小説なら『東京物語』を

青春を取り戻せ

京都市で過ごした大学時代、私はゼミやサークルといった有意な活動には目もくれず、ただひたすら惰眠を貪っていた。そうして青春というものを経験しなかったので、前職の繁忙期、上司とその上司と早朝の3時までサービス残業をした時は無給でも楽しかった。私にはまだまだ青春が足りないのだ。

これからは忙しなく働き、合コンに参加し、悪友たちと無意な時間を過ごそう。「野郎ばっかでつるむなんて今のうちだけだ。(中略)損得ない付き合いができるのは、二十代までに知り合った友だちだけだ」というのは、孤独な成金が29歳の主人公に放った言葉だ。

東京物語はキャンディーズが解散した70年代後半からベルリンの壁が崩壊する80年代後半までの話だが、この頃の若者にあるエネルギーみたいなものにどこか憧れる。私も東京でこんな人生を送ろう思った。