Tricker’sの革靴を購入し英国トラッドを体験してから早くも2週間が経った。天武の才で洒落ている彼女はすでに完全に履きこなしているが、今度は私が米国保守本流の門を叩くことになった。
米大統領御用達を
新卒以来紳士用品に目がなかった私のワードローブには、すでに10着近いスーツが揃っている。革靴とベルトの色を揃えるこだわりようで、ベルトだけで4本も持っている始末である。
一方、ファッションの入り口がフォーマルだったため、ダンディズムの必需品である紺ブレザーをいまだにもっていないのが心残りだった。最近はスーツを着る機会がなく、特に寂しい思いをしていた。
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そんな中、恋人とウィンドウショッピングをしていたら、誕生日プレゼントに紺ブレザーを買ってもらうという話が出た。いろんなお店を探したが、今まで通り勉強から入ってみることにした。
そういうわけで年末年始の帰省の道中、2ndの紺ブレ特集を読んでみると、一際輝いていたのはJ PRESSだった。紺ブレザーの王道であることはもはや常識で、私でさえ知っていた。
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年が明け早速阪急博多で見てみると、圧倒的な風格の違いに驚いた。Loro Pianaのスーツを着ているので自信はあったが、服に着られている有様だった。それでも全く優しい恋人は褒めてくれた。
その後、BEAMSで百名品の紺ブレも着てみたがその差は歴然で、もはや迷う余地がなかった。オプションの仕立てがキャンペーン中だったので、誕生日は少し先だがプレゼントしてもらった。
20年後40代後半になった時、Tricker’sの革靴を履く彼女の横で私は、J PRESSの紺ブレを着こなしているだろうか。むしろそういられるようにこそ、人間的成長を続けていかなくてはならない。